永遠の少女のための将棋帖 ― Japanese Chess for the Eternal Maiden

永遠の少女のための将棋帖

― Japanese Chess for the Eternal Maiden

第一帖 ひとつの目的と、ふたつの約束ごと


盤と駒。たったそれだけの小さな世界に、追う者と追われる者の物語があります。

ルールは、ほんの少し。覚えることを欲ばらずに、まずは「目的」と「ふたつの約束」だけ、そっと胸にしまってください。

まず、勝ち方をひとつだけ

将棋の目的は、とてもシンプルです。

相手の王様(王将・玉将)を盤の上で追いつめ、どこにも逃げ場がなくなったら、あなたの勝ち。この状態を「詰み」と呼びます。

 

最初はこのゴールだけで十分。「王様を捕まえる遊び」だと思って、肩の力を抜いて駒を並べてみましょう。

将棋だけの、ふたつの約束ごと

チェスを知っている方も、ここだけは将棋ならでは、という魔法のようなルールがふたつあります。

ひとつ ―― 成り(なり)、駒が変身する

自分の駒が相手の陣地(手前から数えて、相手側の三段目以内)に入ると、駒を裏返して、より強い駒に「成る」ことができます。

スタディ将棋なら、裏面にもちゃんと矢印が描かれているので、変身したあとの動きもひと目で分かります。

前へ進むほど、駒は強くなる。少しだけ勇気を出して、攻め込んでみてください。

ふたつ ―― 持ち駒(もちごま)、取った駒は、わたしの駒

あとは、指してみるだけ

目的をひとつ、約束をふたつ。覚えることは、これでおしまいです。

あとは一局、また一局と重ねるたびに、指は自然と動き方を覚えていきます。勝ち負けは、あとからついてくるもの。まずは盤の前に座る、その時間そのものを楽しんでください。

―― 次の帖では、最初の数手「駒たちに、道をひらく」お話を。

相手から取った駒は、盤の外で捨てられたりしません。

あなたの「持ち駒」になり、好きな空いているマスへ、いつでも新しい味方として「打つ」ことができます。

これは数あるチェス系のゲームのなかでも、将棋だけのとびきり面白いルール。取って、取られて、また盤上へ。駒たちは、何度でも生まれ変わります。